
人生100年時代。超高齢化社会を迎え、介護疲れが大きな社会問題になっています。
誰もが老いていくこの世の中です。一部の資産家を除き、誰しも親の介護問題を避けて通ることはできません。
少子化、核家族化が進み、老人が老人を介護する老老介護、さらには認知症者が認知症者を介護する”認認介護まで、もはや限界は近いですね。
介護施設の増加やサービスの向上は、加速度的に増えている介護問題に対して、まったく追いついていません。
今まさに介護問題に直面している人にとって、介護疲れによる殺人は、決して他人事とと言い切れないことでしょう。
当事者や介護者にとって、お互いにリフレッシュできる時間はとても大切だと思います。
今回は、レスパイト入院が医療保険の支払対象になるかをご紹介いたします。


レスパイト入院とは?
長期間に及ぶ介護疲れを束の間だけでも癒す、レスパイト入院を利用する人が増えてきました。
レスパイト入院とは、高齢者などを介護している家族に、支援者(主に病院)が一定期間介護を代替してリフレッシュしてもらうサービスです。
レスパイト入院の特徴として、介護保険でなく、健康保険が使えるため、個室料などを除いた費用は、ショートステイなどに比べて比較的安く抑えられます。
課題として、実施医療機関が少ないこと、数日~2週間程度など利用日数の制限があることなどが挙げられます。


入院給付金の支払対象?
入院給付金の支払要件には、疾病の治療を目的とした入院であることとあります。レスパイト入院は、健康保険が使えるので入院料は算定されます。
ただし、あくまで介護をしている家族がリフレッシュするための入院であり、疾病の治療を目的とした入院ではありません。
そのため、レスパイト入院は医療保険の対象外です。
入院給付金を受け取るためには?

ただし、レスパイト入院をする当事者は、もともと何かしらの持病を抱えた人が多いです。
保険会社に提出する診断書などに、医師がレスパイト入院ではなく、たとえば「脳梗塞のリハビリ入院」などと記載したとすると、保険会社は脳梗塞の治療を目的とした入院”と判断し、入院給付金の対象となります。
入院給付金の支払要件のポイントは、疾病の治療を目的とした入院と、保険会社が判断できるかどうかです。
糖尿病の持病がある要介護者のレスパイト入院でしたら、保険会社に提出する診断書の傷病名が糖尿病治療の入院であれば入院給付金支払対象、レスパイト入院でしたら対象外です。


まとめ
介護は長期間に及ぶ戦いであり、適度な休息をとらないと、共倒れになってしまいかねません。
レスパイト入院”する際、糖尿病など何かしら既往症があるなら、既往症の入院治療が必要かどうか、ケアマネージャーや医師と事前に相談をしてみることをおすすめいたします。