




保険に入っていれば、保険金をもらえるわけではありません。
いい加減な説明しかしない営業担当者に問題があったとしても、たいていは泣き寝入りです。
今回は、保険会社が保険金を支払う際に、診断書をチェックする5つのポイントをご紹介いたします。
保険会社の調査が行われるきっかけとは?
「契約してから2年を経過すれば契約は解除されないから大丈夫」とか、営業担当者の口車に乗せられ、告知義務違反をして契約するのは愚の骨頂です。
病歴を隠して保険に加入しても、いざ入院や手術で保険請求をしたら、病歴がばれて保険金が支払われないどころか、契約を解除されるケースが後を絶ちません。
いったい、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
保険会社が病歴の調査を行うかどうかの判断基準は、保険金請求で提出する「診断書の記載内容」です。
保険加入の際に記入した告知書と、保険金請求の時に提出した診断書に矛盾があると、調査の対象になります。
つまり、保険金をもらうために保険会社へ提出した診断書によって、告知義務違反が疑われる場合、病院への調査が行われるのです。
診断書の確認すべき5つのポイント
保険金をもらうためには、医師の診断書が必要です。
保険会社にとって診断書とは、入院や手術など支払うべき項目の確認、そして告知義務違反がないかをチェックするためのものです。
診断書を提出すれば、すんなり保険金がもらえるってお考えの人は、頭にお花畑が咲いているかもしれません。
保険会社に提出する前に、隅々までチェックしましょう。
事実と異なることが記載されていた場合、医師に書き直しを依頼するのが賢明な手段です。
それでは、診断書・5つのチェックポイントを紹介します。
ポイント1.初診日・治療期間(前医も含む)
責任開始日より前であれば、調査対象です
ポイント2.既往症
告知していない既往症があれば、調査対象です
ポイント3.傷病発生日
責任開始日より前の場合は、調査対象です
ポイント4.傷病名
既往帝王切開後妊娠、慢性腎不全、後発白内障など、加入前からの治療が疑われる病気の場合も調査対象です
ポイント5.経過欄・所見欄(医師が治療経過などを自由に記載するスペース)
定期健康診断で指摘され来院などの記載がよくあります。
例えば、健康診断で便鮮血陽性の指摘あり、精密検査のために来院とか、乳がん検診で要再検査のため来院などです。数年前から、経過観察をしており~などの記載も要注意ですね。
上記ポイント1~5のいずれかに該当すると、保険に加入してから2年以内の場合は調査対象となります。
2年以内の請求が調査対象となる理由
では、なぜ保険加入から2年以内なのでしょうか。
保険会社が保険金の支払を拒んだり、契約を解除するには、告知義務違反や責任開始期前発病を主張する必要があります。
保険約款(定款)で、告知義務違反と責任開始期前発病を主張できるのは、責任開始日より2年と定められているからです。
2年を超えても、5年以内なら調査対象となる理由
2年以内に支払事由(入院・手術など)がある場合は、告知義務違反を主張できる期限が、責任開始日より2年から5年以内に延長されます。
では、責任開始日より5年が過ぎれば、絶対に保険が支払われるかというと、残念ながらそんなにうまくはいきません。
告知義務違反が悪質な場合などは、何年たっても保険会社は重大事由解除(詐欺無効など)をにより、契約を無効とすることができます。
この重大事由解除をやりすぎた一部の会社が、金融庁より業務改善命令を受け、保険金の不払い問題として2000年代にマスコミを賑わせたこともありました。
悪意のない告知義務違反が発生する理由
生命保険や医療保険に加入にあたって告知書を記入する際には、大したことのない病歴を忘れていることもあるでしょう。
しかし、実際に病気になると、適切な医療を受けたいという思いから、真剣に過去の病歴を思い出し、ささいなことでも医師に申告する人が多いです。
そのために、告知書と診断書の既往症などに相違点が発生し、図らずも告知義務違反として保険契約が解除されてしまうこともあります。
告知義務違反については、悪意があるかどうかは関係ありません。
保険会社は事実に即して、淡々と手続きを進めます。義理人情は一切通用しないので、ご注意ください。
まとめ
安心して保険に加入するのためには、正しい告知を行う以外に方法はありません。
万一の際に無用なトラブルを避けたいものです。
保険に加入・見直しをするときには、「5年以内に病院に行ったから告知が必要!」って、思い出すことをおすすめいたします。