
日本国民の約90%が生命保険に加入している「保険大国ニッポン」。
1人で複数の契約をしているケースも多く、2016年末において契約件数は1億6,772万件、年間保険料は862兆円にもなります。
戦後、保険販売の中心を担っていたのは、セールスレディ・いわゆる保険のおばちゃんです。
戦争未亡人の働き口確保、高度経済成長期の保険販売の拡大により、セールスレディの数も右肩がありを続け、生命保険会社の規模拡大に貢献してきました。
バブル時代になると、生命保険会社は機関投資家として「ザ・生保」と呼ばれ、世界各国で不動産や文化遺産、優良企業を買い漁ったものです。
平家物語「おごれるひとも久しからず」ではありませんが、平成の世になると徐々に存在感が薄くなっていき、セールスレディに代わって、「来店型ショップ」「FP」が保険販売の中心になっています。
今回は、「保険ショップ」「訪問型FP」の実態、エースを狙う理由をご紹介いたします。
保険ショップとは?
「保険ショップ」とは、無料で保険相談ができるお店のことです。
ショッピングモール(イオン・ららぽーとなど)や繁華街など、人通りの多いところに出店しています。
「ほけんの窓口」、「保険見直し本舗」などが有名ですね。
ほかにも、「ゼクシィ保険ショップ」・「保険クリニック」・「ほけん百花」・「みつばちほけん」・「保険ほっとらいん」・「保険の110番」・「イオン保険サービス」・「ライフサロン」など、全国各地に雨後の竹の子のごとく、次々と誕生しています。
いまや「保険ショップ」は、生命保険・医療保険・がん保険などの、主力販売業態です。
保険会社にとって「保険ショップ」は、業績を左右しかねないほどの影響力をもっています。
保険ショップのメリット・デメリット
メリット
・何回でも無料で利用可能
・数ある保険商品のなかから、最適な保険を効率的に選べる
・最新の保険情報が得られる
・パンフレットだけもらって帰ってもOK
・キッズスペースが完備した店舗もあり
デメリット
・予約なしでふらっと行くと、ほかの予定があって十分相談できないことがある
→事前予約のうえ、要望を伝えておくことで解決できます
・閑散としていて、入りにくいことがある
→店側としては、冷やかしでも座って話を聞いてくれるだけでも嬉しいもの。理由は、相談している光景が、通行客向けの宣伝になるからです。


訪問型FPとは?
「訪問型FP」とは、ファイナンシャルプランナー(AFP・CFP、FP技能士)の資格を持つ、生命保険の募集人です。
ソニー生命・ジブラルタ生命をはじめ、各保険会社の直販社員のOBが多いのが特徴です。
ほかにも「保険マンモス」・「保険相談Navi」・「保険ビュッフェ」などが有名です。
「訪問型FP」は、ポータルサイトで集客を行い、全国津々浦々にFPを派遣しています。
訪問型FPのメリット・デメリット
メリット
・自宅、勤務先、喫茶店など、都合の良い場所・時間に無料で相談可能
・保険だけではなく、資産運用にも詳しい
・専属担当者が付く安心感
・地域に根差した人が多く、将来にわたって頼りになる
・お米や牛肉など、相談するだけで特産品がもらえることも!
デメリット
・担当者によって、得意分野が異なる
→事前に要望を伝えることで、ミスマッチを回避できます
・地方によっては、優秀なFPの予約が困難なことも
→訪問希望日を複数設定するなど、焦って決めないことがポイント


保険ショップ・訪問型FPは、エースをねらえ!
相談するときの注意点は、次の3つです。
①目的をはっきりさせること
保険全般を見直したいのか、最新の情報を知りたいのか、そもそも保険がよくわからないので初歩の初歩から話を聞きたいのか、医療保険に加入したいのかなど、なんとなくでもよいので相談の目的を箇条書きにすることです。
あまり複雑に考える必要はありません。まずは、スマホのメモ程度でも十分です。
②1人の担当者では決めない、最低2人以上から話を聞くこと
生命保険、医療保険、がん保険は数百万円の買い物です。どんなに素晴らしい担当者だと思ったとしても、慎重な決断をすることがポイントです。
病気になったときも、セカンドオピニオンが主流の世の中です。売れない担当者に限って、決断を急かす傾向にありますのでご注意ください。
③エースを指名すること
どこの職場やチームにも「エース」と呼ばれる人が存在するように、「来店型ショップ」、「訪問型FP」にも必ずエースは存在します。
売れている人は、売れるだけの理由があります。エースを指名することで、豊富な知識、安心したアフターフォローなどが期待できます。
アポなしでの来店や電話予約ですと経験の浅い人が担当になる可能性もあります。
ネット予約できちんと要望を伝えれば、最適な保険に加入でき、将来にわたって安心できる担当者にめぐり逢える可能性が高まります。



まとめ
「保険ショップ」、「訪問型FP」ともに、従業員教育が行き届いており、押し売りや強引な勧誘はまずありえません。
一部セールスレディのように、しつこい訪問や電話攻撃をしていると、あっという間に悪評が広がって相談者がいなくなってしまいますからね。
万が一、悪質な営業をする担当者がいたとしても、イエローカード制や苦情窓口を設定するなど、組織的な運営がしっかりしています。
保険のことを真剣に考えるのは、一生のうちで何回もありません。
「保険ショップ」、「訪問型FP」の両方を活用することで、最適な保険に加入して安心感が得られる可能性が高まります。
保険を検討するときは、時間と手間を惜しまず、エースを狙って話を聞くことをおすすめいたします。